DX

メールサーバー移行の注意点は切り替え日、新旧で受け取れる期間を作る

サーバーの引っ越しを前に、会社のメールがどうなるか分からず困っている総務の担当者 DX

ホームページと同じレンタルサーバーで会社のアドレス(info@会社のドメインなど)のメールを使い、近くサーバーを移す予定の会社に向けた記事です。Google WorkspaceやMicrosoft 365をまだ使っていない会社が対象です。メールサーバー移行の注意点は、切り替え日を先に決め、その前後の数日は新旧どちらのサーバーに届いたメールも読める状態にしておくことです。

この形にしておけば、切り替えの途中に届いたメールを取りこぼさずに移せます。この記事を読むと、切り替え日、古いサーバーの解約日、過去のメールの扱い、移すアドレスの数の4つを決められます。

要点 内容
この記事の対象 ホームページと同じレンタルサーバーで会社のアドレスのメールを使い、サーバーを移す予定がある、従業員20〜100名の会社
対象外 すでにGoogle WorkspaceやMicrosoft 365でメールを使っている会社、ホームページだけを移す会社、メールマガジンを大量に配信している会社
結論 切り替え日を先に決め、その前後の数日は古いサーバーと新しいサーバーのどちらに届いたメールも読める状態にしておけば、メールを取りこぼさずに移せます

メールサーバー移行で起きる取りこぼしと、ホームページの引っ越しとの違い

サーバーを移したあと、取引先からのメールが届いていないと分かり慌てている事務所

メールの取りこぼしは、ホームページを移せばメールもついてくる、という思い込みから起きます。同じレンタルサーバーに載っていても、ホームページとメールとドメインは、それぞれ別に引っ越しの作業が要ります。サーバー会社の移転の案内でも、ホームページの移行とメールアカウントの設定は別の手順になっています。

メールサーバーの移行とは、会社のアドレスあてのメールを受け取るサーバーを、古いサーバーから新しいサーバーへ移すことです。届け先を新しいサーバーに向ける作業を、この記事では「切り替え」と呼びます。

切り替えは、ドメインを管理している業者の管理画面で、メールの届け先の設定を新しいサーバーに書き換えて行います。作業するのは、その管理画面に入れる御社の担当者か、管理を任せている業者です。この変更はすぐには行き渡らず、その間は送り手によって、メールが古いサーバーに届いたり新しいサーバーに届いたりします。

さくらインターネットは、この間はメールが両方のサーバーに届くため、両方から受信する必要があると案内しています。

たとえば、30名の会社がホームページの作り直しに合わせて、制作会社の勧めでサーバーを移したとします。月末で古いサーバーを解約したところ、切り替えの直後に古いサーバーへ届いていた取引先のメールが、誰にも読まれないまま消えました。Webメールで読んでいた社員は、過去のやり取りも見られなくなりました。

メールサーバー移行の前に決める4つのこと

メールサーバーの移行の前に決める4つのこと

移行の前に決めるのは、切り替え日、古いサーバーの解約日、過去のメールの扱い、移すアドレスの数の4つです。切り替え日と解約日を先に決めると、新旧どちらでも受け取れる期間が決まります。

決めること 目安
切り替え日 届け先を新しいサーバーに向ける日。週末や、忙しい月末を避けた1日
古いサーバーの解約日 切り替え日から少なくとも1週間あける
過去のメール 持っていくかどうか。持っていくなら何年分か
移すアドレスの数 社員の数と、info@のような窓口のアドレスの数

切り替え日は、社内とサーバー会社のどちらにも連絡が取れる平日にします。問題が起きたときに、その日のうちに相談できるからです。エックスサーバーは、利用者が少ない時間帯を選ぶなど、前もって予定を立てて切り替えるよう勧めています。

古いサーバーは、移行が終わるまで、新しいサーバーと期間を重ねて契約します。エックスサーバーは、古いサーバーの契約が1か月以上残っているうちに作業するよう勧めています。

解約日を切り替え日から1週間以上あけるのは、スマイルサーバが、切り替えから1〜2週間ほどは新旧どちらに届くか定まらないことがあると案内しているためです。ただし、1週間で必ず古いサーバーにメールが届かなくなるとは限りません。古いサーバー側のWebメールやメールソフトで、新しいメールが来ない日が続いているのを見てから解約します。

過去のメールは、サーバー会社によってはサーバーどうしで引き継げません。エックスサーバーは、過去の受信メールは引き継げないため、必要ならメールソフトなどで手元に保存するよう案内しています。持っていく年数を決めておくと、保存の手間と置き場所の見当がつきます。

メールサーバー移行の注意点は、切り替えの前後の3つのつまずき

つまずくのは、届け先の切り替わりの遅れ、過去のメールの置き場所、メールソフトの設定し直しの3つです。どれも、切り替え日の前後に新旧どちらでも受け取れる期間を作っておけば、慌てずに対応できます。

切り替えてもしばらくは、古いサーバーに届く

ドメインの設定の変更は、すぐには行き渡りません。目安は事業者で異なり、エックスサーバーは、数時間から最大24時間程度で徐々に反映されると案内しています。時間差が出るのは、各地のサーバーが古い届け先の情報を一定の時間覚えておくため(キャッシュと呼ぶ仕組み)です。

この間に古いサーバーを解約すると、古いサーバーに届いたメールは読めなくなります。「.jp」のドメインを管理する団体のJPRSは、ドメインの設定を引っ越す手順の解説で、新旧を並べて動かしてから古いほうを止めるよう勧めています。

過去のメールの置き場所は、受け取り方で違う

過去のメールがどこにあるかは、社員ごとの受け取り方で変わります。POPとは、メールをパソコンに取り込んで読む受け取り方です。IMAPとは、メールをサーバーに置いたまま読む受け取り方です。Webメールとは、ブラウザでサーバーにログインして読む受け取り方です。

Outlookなら、アカウントの設定にある「アカウントの種類」で、POPかIMAPかが分かります。POPかIMAPか分からない社員がいる場合は、業者に頼むことを考えます。

POPなら過去のメールはパソコンにあるため、サーバーを移しても消えません。IMAPの場合はメールがサーバーにあるため、古いサーバーを解約すると過去のメールは消えます。Webメールで読んでいる社員もメールがサーバーにあるため、IMAPと同じく解約の前に手元に残す準備をします。

全員のメールソフトの設定し直しが要る

新しいサーバーではアドレスを作り直す必要があり、パスワードや送受信の設定も変わります。そのため、社員全員のメールソフトで設定し直しが要ります。エックスサーバーは、古い設定を消さずに新しい設定を追加し、移行中は新旧どちらでも受信できるようにする方法を案内しています。

ただし、メールソフトによっては、同じアドレスを2つ同時に設定できません。その場合は、古いサーバーに届いたメールをWebメールで確かめるなど、別の読み方を用意します。メールソフトに入れる項目は、Microsoft サポート「POP と IMAP のアカウント設定」にまとまっています。

自分で進められる場合と、頼んだほうがよい場合

自分で進められる場合と、頼んだほうがよい場合の境目

自分で進められるかどうかは、アドレスがいくつあるか、どの方法で受け取っているか、ドメインの管理画面に入れるかの3つで分かれます。次の条件がそろっていれば、サーバー会社の移転の案内に沿って、社内で進められます。

  • 移すアドレスが5個ほどまで
  • 全員がPOPで受け取っていて、過去のメールを移さなくてよい
  • ドメインの管理画面に、自分で入れる

操作の手順は、移転先のサーバー会社の案内にあります(例:エックスサーバー、さくらインターネット、スマイルサーバ)。

一方で、次のどれかに当てはまる場合は、頼んだほうが確実です。

  • ドメインをどこで管理しているか分からない、または管理画面に入れない
  • 移すアドレスが6個以上ある
  • IMAPやWebメールで読んでいる社員がいて、過去のメールを移す必要がある

ドメインの管理業者とサーバー会社は、同じとは限りません。制作会社や前任者が設定したままの場合、ドメインの設定を変える画面に誰も入れないことがあります。アドレスの数の境目は、弊社の目安です。6個以上になると、全員のメールソフトの設定し直しが切り替え日の前後に収まりにくくなります。

弊社は、ドメインの管理業者の確認から、切り替え日の計画、ドメインの設定の変更、メールの移行、社員のメールソフトの設定の案内まで引き受けます。新旧どちらでも受け取れる期間を組み込んだ計画を、御社の繁忙期や契約の更新日に合わせて作ります。

関連記事:中小企業のメール・ドメイン管理、業者任せで大丈夫?失効・不達・漏洩を防ぐ見直しポイント

「サーバーを移すと言われたが、メールがどうなるのか分からない」「ドメインをどこで管理しているか分からない」「社員全員のメールソフトの設定を、自分たちでやり直せるか不安」といったご相談を、弊社で受け付けています。サーバーやメール、ドメインの移管と、その後の管理は、弊社にご相談いただけます。

今日できる確認は、サーバーの更新日とドメインの管理業者

今日できる確認として、サーバーの更新日とドメインの管理業者を確かめる

今日できる確認は、いまのレンタルサーバーの契約の更新日と、ドメインの管理業者を確かめることです。あわせて、その管理画面に入るためのIDやパスワードが社内にあるかも見ます。どれも、サーバー会社や管理業者から届く請求書やメールを探せば、5分ほどで分かります。

結果ごとの次の一手は、次のとおりです。

確認の結果 次の一手
更新日まで1か月以上あり、ドメインの管理画面に入れる 切り替え日と解約日を決め、移行の計画を立てます
更新日まで1か月を切っている 新旧で受け取れる期間を作る余裕が少ないため、早めにご相談ください
ドメインの管理業者が分からない、または管理画面に入る情報がない 管理業者の確認や問い合わせから、弊社が引き受けます

メールサーバーの移行で取りこぼしを防ぐ方法は、切り替え日を先に決め、その前後の数日は新旧どちらに届いたメールも読める状態にしておくことです。日付を決めるための材料は、今日の確認でそろいます。更新日が迫っている場合や、管理業者や管理画面に入る情報が分からない場合は、早めにご相談ください。

よくある質問

メールサーバーを移行すると、メールアドレスは変わりますか?

ドメインをそのまま使う場合、アドレスは変わりません。新しいサーバーで、これまでと同じアドレスを作り直して使います。変わるのは、パスワードや送受信の設定です。

ドメインも一緒に別の業者へ移す場合は、何に気をつけますか?

サーバーの移行を先に済ませ、ドメインの移管はそのあとにします。ドメインの移管とは、ドメインを管理する業者を変えることで、サーバーを移すだけなら要りません。エックスサーバーは、両方を考えている場合はサーバーの移転を先に行うよう勧めています。ドメインの移管で元の業者がドメインの設定を消す場合もあるため、サーバーの移行、ドメインの移管の順に進めたほうが安全です。

「.jp」のドメインを管理している業者は、どうすれば分かりますか?

請求書やメールで見つからない場合は、ドメインの登録者が、「.jp」を管理する団体のJPRSに問い合わせる方法があります。本人だと確認できれば、管理している業者を教えてもらえます。詳しくはJPRS「JPRS WHOISで確認できること」にあります。

無料相談のご案内

弊社はサーバーやメールの移管と、Google Workspaceの導入支援・保守サポートを行っています。御社の業務に合わせてご提案します。

強引な営業は一切いたしません。まずはお気軽にご連絡ください。

※オンライン相談にも対応しております。

出典

本記事は公開日時点の情報です。料金や機能の最新情報は、各公式ページをご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました