Google Workspace

介護のLINEは外し忘れた退職者に個人情報が届く、法人チャットへ移す3つのルール

介護事業所の管理者が、退職した職員が残るLINEのグループを見て困っている Google Workspace

シフトの交代や利用者の申し送りを、職員が個人のスマホのLINEで回している介護事業所の管理者や本部の担当者に向けた記事です。対象は、法人で用意したチャットがまだなく、利用者の名前や写真といった個人情報がLINEのグループでやり取りされている事業者です。LINEのグループは、人を外す操作を法人の側で管理できないため、外し忘れた退職者にも利用者の情報が届き続けます。

そこで、業務連絡を、法人が職員にアカウントを配るチャットに移し、書いてよい情報、入る人、辞めた人を外す日の3つを決めれば、辞めた人を法人の側で確実に外せます。読み終えると、この3つと、個人のLINEのグループを閉じる日を決められます。

要点 内容
この記事の対象 法人のチャットをまだ用意していない介護事業者(事業所2〜5か所、職員20〜100名)。業務連絡は、職員が個人のスマホで使うLINEのグループで回している
対象外 介護記録ソフトの選び方を知りたい事業者、利用者の家族との連絡の取り方を知りたい事業者、法人で用意したチャットをすでに使っている事業者
結論 介護の業務連絡を個人のLINEで続けると、外し忘れた退職者にも利用者の個人情報が届き続けます。法人のアカウントのチャットに移し、書いてよい情報、入る人、辞めた人を外す日の3つを決めれば、辞めた人を法人の側で確実に外せます

介護のLINEで、個人情報が辞めた職員に届き続ける理由

退職した職員のスマホに、元の職場のグループの申し送りが届いている

理由は、LINEのグループから人を外す操作を、法人の側で管理する仕組みがないためです。LINEの公式ヘルプには、メンバーを外す操作を管理者だけに限る仕組みの記載がありません。外すかどうかは、その場にいる職員の気づきに任されます。

外されないかぎり、辞めた人のスマホにも新しいメッセージが届き続けます。LINEのヘルプでは、自分でグループを退会すれば過去の投稿は見られなくなるとされていますが、辞めた人が自分で退会するとは限りません。つまり問題は、外す人と外す日が決まっていないことです。

介護の個人情報は、特に配慮が要る種類を含む

介護事業者は、個人情報保護委員会と厚生労働省がまとめた「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」の対象です。このガイダンスは、介護関係の記録に書かれた病歴や障害の事実を「要配慮個人情報」としています。要配慮個人情報とは、本人が不当な扱いを受けないよう、特に慎重に扱う個人情報です。

ガイダンスは、職員が業務に必要な範囲だけを見られる仕組みと、離職後も含めた守秘義務を求めています。辞めた人に申し送りが届き続けると、この2つの求めから外れやすくなります。

たとえば、パートの職員が辞めた翌月

3か所のデイサービスに職員40名がいる法人で、パートの職員が3月末に辞めたとします。事業所のグループは前の主任が作ったもので、誰が外すかは決まっていません。4月になっても、その人のスマホには「〇〇様、今朝から微熱あり」という申し送りが届き続けます。

法人のチャットに移すときに決める3つのこと

法人のチャットに移すときに決める3つのこと

決めるのは、書いてよい情報、入る人、辞めた人を外す日の3つです。法人のアカウントのチャットとは、法人が職員にアカウントを配り、辞めたときに法人の側で止められるチャットです。法人のアカウントのチャットには、Google Workspaceに含まれるGoogle Chatがあります。

Google Workspaceとは、メール、チャット、ファイルの置き場所を、法人のアカウントでまとめて使えるGoogleの有料のサービスです。Google Chatは、Business Starter(1ユーザーあたり月額800円・税抜・年契約)以上のどのプランにも含まれます。

決めること 決めることの中身
書いてよい情報 利用者の名前の書き方と、写真を載せるかどうか
入る人 職員を、事業所ごとのグループと全体のグループ1つに分けて入れる
辞めた人を外す日 退職日の当日に、管理者がアカウントを止める
LINEのグループを閉じる日 移行を始めてから1か月後など、日付で決める

書いてよい情報

書いてよい情報と、書かない情報を先に分けます。決めるのは、利用者の名前をフルネームで書くかイニシャルにするかと、写真を載せるかの2つです。

法人のチャットは、管理者の設定で組織の外の人へのメッセージを止められます。それでも、職員の端末に入った情報まで消せるとは限りません。迷う場合は、写真は載せないところから始めると、あとで緩めるだけで済みます。

入る人

最初に作るグループの数は、事業所の数に全体のグループ1つを足した数にします。3か所なら4つです。ガイダンスが求める、業務に必要な範囲だけを見られる形に近づけるため、ほかの事業所の申し送りは届かない分け方にします。

辞めた人を外す日

LINEとの違いは、辞めた人のアカウントそのものを、法人の側で止められることです。退職日の当日に管理者がアカウントを止めれば、どのグループに残っていても、チャットを含むGoogleのサービスに入れなくなります。データは消えずに残ったままです。

グループ(Google Chatではスペースと呼びます)から外された人は、そのグループの過去のメッセージも見られなくなります。グループから人を外せる人も、スペースの設定か管理者の画面で、管理者だけに限っておけます。手順はユーザーを一時的に停止するとGoogle 管理コンソールでスペースを管理するにあります。

あわせて決めたいのが、個人のLINEのグループを閉じる日です。閉じる日がないと、LINEと法人のチャットの両方で業務連絡が続きます。

関連記事:社会福祉法人のGoogle Workspace導入|現場が使いこなす活用事例と稟議のコツ

移すときにつまずく3つの点

つまずくのは、個人のスマホを使うことへの抵抗、LINEへの逆戻り、アカウントを配る範囲の3つです。

個人のスマホで法人のアカウントを使うことへの抵抗

職員からは、自分のスマホに職場のアカウントを入れたくないという声が出ます。対策は、事業所に共用の端末を置くか、個人のスマホを使うときの決まりを作るかのどちらかです。

辞めた人のアカウントを止め、端末から仕事用のアカウントを消すだけなら、Business Starter(1ユーザーあたり月額800円・税抜・年契約)で足ります。この消す機能をアカウントのワイプと呼びます。iPhoneなら、個人のデータとアプリは残ったままです。Androidで仕事用と個人用を端末の中で分けたい場合だけ、Business Plus(1ユーザーあたり月額2,500円・税抜・年契約)以上を選びます。

ワイプだけでは、消した仕事用のデータを、本人はパソコンやブラウザからまだ見られます。退職のときは、アカウントを止めるのが先で、ワイプはその補助です。詳しくはデバイスから仕事用データをワイプするにあります。

慣れるまで、LINEのグループに戻ってしまう

年配の職員やパートの職員は、新しいアプリに慣れるまで、急ぎの連絡をLINEに書きがちです。LINEにも書けるうちは、そちらのほうが早いためです。閉じる日を全員に先に伝え、その日からはLINEに書かれた連絡に返事をしない、と決めておきます。

全職員に配るか、常勤だけに配るかの判断

法人のアカウントは人数分の料金がかかるため、配る範囲で迷います。たとえば職員40名全員に配ると、先に触れた1ユーザーあたり月額800円のプランでも、800円×40名で月額32,000円(税抜・年契約)かかります。

常勤だけに配ると、パートの職員への連絡がLINEに残ります。申し送りを受ける人には、雇用の形にかかわらず配るのが筋です。

自分で進めるか、頼むかの境目

境目は、事業所の数、職員の人数と働き方、個人のスマホを使うかどうかです。

自分で進められる場合と、頼んだほうがよい場合
場合 条件
自分で進められる 事業所が1〜2か所、職員が20名ほどまでで、ITに詳しい職員が1人いる
頼んだほうがよい 事業所が3か所以上ある、職員が個人のスマホを使う、パートの職員が多い

自分で進められる場合は、書いてよい情報、入る人、辞めた人を外す日を決めてから、公式ヘルプの組織で Chat を設定するを読んで始めます。頼んだほうがよい3つの条件は、どれも最初の設定や段取りに手間がかかります。

  • 事業所が3か所以上ある:グループの分け方と、異動した職員の扱いが絡む
  • 職員が個人のスマホを使う:辞めた人の端末から仕事用のアカウントを消せるよう、最初の設定が要る
  • パートの職員が多い:操作の説明を一度で済ませる段取りが要る

弊社は、アカウントの準備、グループの分け方の設計、個人のスマホで使うときの設定、職員向けの説明会まで引き受けます。辞めた人を退職日の当日に外せる状態を、最初から作るためのお手伝いです。

「職員の個人のLINEに、利用者の情報が残っている」「辞めた職員がグループに残ったままになっている」「新しいアプリにしても、職員が使ってくれるか不安」といったご相談を、弊社で受け付けています。Google Workspaceの導入は、プランの選び方から初期設定、導入後の保守まで、弊社がお手伝いできます。

介護のLINEで今日できる確認

業務連絡のLINEのグループに退職者が残っていないかを数える

今日できる確認は、業務連絡に使っているLINEのグループに、すでに辞めた職員が何人残っているかを数えることです。グループを開いてメンバーの一覧を見れば、5分ほどで終わります。

0人なら、まずは書いてよい情報の決まりを作るところから始めてください。1人でも残っていれば、その人のスマホに利用者の情報が届き続けています。その人を外したうえで、法人のチャットへ移す段取りに進みます。

介護の業務連絡を個人のLINEで続けるかぎり、外す人と外す日は決まりません。法人のアカウントのチャットに移し、書いてよい情報、入る人、辞めた人を外す日の3つを決めれば、辞めた人を法人の側で確実に外せます。移す段取りが組めない場合は、グループの分け方を決めるところからご相談ください。

よくある質問

法人のチャットに移せば、写真の保存やスクリーンショットも防げますか?

防げるとは言い切れません。法人の側でできるのは、アカウントを止めること、グループから外すこと、端末から仕事用のアカウントを消すことです。写真を載せるかどうかは、移す前に、書いてよい情報の決まりとして決めておきます。

LINEのグループから外せば、辞めた人は過去のトークを見られなくなりますか?

外された場合に見られなくなるかは、LINEのヘルプには書かれていません。自分で退会した場合は、過去の投稿が見られなくなるとされています。どちらにしても、外されるまでは新しいメッセージが届き続けます。

辞めた職員の法人のアカウントは、すぐに削除してよいですか?

すぐには削除せず、まず止めます。止めれば、その人はサービスに入れなくなり、データは消えずに残ったままです。止めたアカウントにも料金がかかるため、引き継ぎを終えたら削除する日を決めます。データの残し方は離職した従業員のデータを保持する方法にあります。

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※オンライン相談にも対応しております。

出典

本記事は公開日時点の情報です。料金や機能の最新情報は、各公式ページをご確認ください。制度の最新情報は、各省庁の発表をご確認ください。個別の判断は、税理士や社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

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